AIseed Weather
個人開発気象ツール
地上天気図(気圧配置)・高層天気図・全球予報図・降水ナウキャストを、自分のパソコンで描くデスクトップアプリです。
ECMWF の数値予報と気象庁の観測を、自分で取得して描きます。無料・オープンソース(AGPL)。
画面の例
できること
全球予報図
ECMWF Open Data(IFS)から、海面気圧・500 hPa 高度・850 hPa 気温・ジェット気流などを描きます。 使い方
気候値とアノマリ
ERA5(1940 年〜)を基準に、現況が平年からどれだけ離れているかを図にします。ここがこのアプリの差別化点です。 (開発中。いまは地点予報の平年値を Open-Meteo の過去データから出しています)
日本の現況
気象庁の高解像度降水ナウキャスト(過去 3 時間と 1 時間先まで、全国と地方の図)と、 AMeDAS 約 1,300 地点の地上観測を、「いまの日本」の層として描きます。
観測の記録(1880 年〜)
このサイトが配っている日別の観測データを読み、任意の日の地点ランキング、 任意の期間・閾値の日数や極値・平均・合計、1 地点の推移を図と表にします。図は出典つきの PNG で保存できます。
注釈と重ね描き
等圧線や風を、気温場・降水の上に重ねて描きます。気圧面は 1000〜50 hPa の 13 面 (ジオポテンシャル高度・気温・風・湿度・鉛直流・渦度)。(予定)テキストや矢印による注釈。
エクスポート
図には出典・ラン時刻・ライセンスを描き込みます。観測の記録の図と地点予報のグラフは、 そのまま PNG で保存できます。(開発中)予報図・ナウキャストの図の保存。
動く地図とアニメーション
予報ステップをタイムラインで連続再生できます(⏮ ▶ ⏭ とスライダー)。 「動く地図」では GPU で描き、拡大・移動しながら風の粒子を流せます。ナウキャストも 5 分ごとのコマで再生できます。
入れ方
| パソコンの OS | いまの状況 |
|---|---|
| Linux | 動作を確かめている環境です。下の手順で動きます |
| macOS | 同じ手順で動きます |
| Windows | まだ確かめていません(動く可能性はありますが、手順を用意していません) |
| スマートフォン・タブレット | 使えません(パソコンのアプリです) |
cartopy・cfgrib・eccodes が C ライブラリ(PROJ / GEOS / eccodes)に依存するため、
pip ではなく Miniforge(conda-forge)を使います。環境はリポジトリ内に
./.venv として作るので、グローバル環境を汚しません。
git clone https://github.com/aiseed-dev/weather.git cd weather mamba env create --prefix ./.venv -f environment.yml mamba activate ./.venv pip install -e . tools/build_client.sh # 動く地図を使うとき(一度だけ) flet run
初めて起動すると ~/.config/aiseed-weather/config.toml ができます。どこからデータを取るかは
アプリが勝手に決めないので、ここで選んでから起動し直します。数値予報の取得元の選び方と画面の操作は
数値予報の天気図を描くにまとめています。
解析用のサンプル Jupyter ノートブック(ECMWF GRIB2 の直接読み込み、AMeDAS スナップショット、 ERA5 気候値など)も同梱しています。
想定している利用者
MSL、ジオポテンシャル高度、アノマリが何を指すかをご存じの方に向けた道具です。 用語を噛み砕いたり、単位を「やさしく」言い換えたりはしません。ラベル・単位・図法は、 あなたが既に読み慣れた慣例に従います。入門のしやすさではなく、専門ワークフローの最適化が設計方針です。
知っておくべき 2 つの設計原則
1. データソースはあなたが選ぶ
どのミラーを使うか、ERA5 にどう接続するかは ~/.config/aiseed-weather/config.toml で決めます。
アプリが勝手に選ぶことも、設定ウィザードを出すこともありません。
2. 取得はあなたの操作時だけ
ビューを開く・更新を押す・パラメータを変える。この 3 つ以外で通信しません。 バックグラウンドポーリングも自動更新も先読みもありません。
この 2 つは、法的な立ち位置でもあります。
データを取得するのも、図を作るのもあなたの手元です。当ツールは
気象データを可視化する道具であり、予報を生成して配信するものでは
ありません。だから個人開発気象統計(気象庁の観測値だけを
扱うサイト)とは違い、ECMWF や ERA5 を扱えます。
これは思想であると同時に、データ提供元への礼儀でもあります。キャッシュを効かせ、必要なときだけ取得し、
User-Agent でアプリ名を正直に名乗ります。
4 つのデータ層
役割の違うデータを 1 つのワークフローに束ねている点が、このアプリの中心的な価値です。
データソースとライセンス
| 層 | ソース | 役割 | ライセンス・出典 |
|---|---|---|---|
| 予報グリッド | ECMWF Open Data | 未来 / 地図表示 | CC-BY-4.0 |
| 気候値・アノマリ | ERA5 | 過去の文脈 | CC-BY-4.0 |
| 日本の現況 | 気象庁 レーダー・AMeDAS | いまの日本 | 出典: 気象庁ホームページ |
| 日本の観測の記録 | 気象庁の日別値(このサイトが配る NetCDF) | 1880 年からの記録 | 出典: 気象庁ホームページ(編集・加工) |
| 地点予報 | Open-Meteo | 補助的な地点表示 | CC-BY-4.0 |
帰属は省略できません。 書き出す図には、データの出典・ラン時刻・図法・(アノマリなら)基準期間を必ず入れます(予報図の保存は開発中)。 図を共有した相手から「これは何のデータ?」と聞かれたとき、図そのものが答えられる状態にしてあります。 気象庁データを合成・加工した場合は、その旨と編集責任の所在も併記します。
このサイトとの関係
このサイト「個人開発気象統計」は、気象庁の観測データを誰でもすぐ読める形にまとめたものです。 一方 AIseed Weather は、自分の手で天気図を作りたい人のための道具です。 既製のチャートでは変数や見た目が物足りない、現況を過去の気候値と比べたい、 注釈をつけて誰かに説明したい — そういう用途のために作っています。
一緒に作る
天気予報の道具は、使う人が協力して作ると、いいものができます。 予報のデータは各自が自分の手元に取り、図の作り方やコードの改善は GitHub で共有してください。 自分の AI と一緒にアプリを作るやり方は、同じ作者の aiai(AI 時代の学び方)にまとめています。
リンク
数値予報の天気図を描く(使い方) 開発マニュアル GitHub リポジトリ ECMWF Open Data 気象庁 Open-Meteo aiai
コードは AGPL-3.0-or-later で公開しています。 本ツールは公開されている気象データを可視化するもので、独自の予報を生成・配信するものではありません。